非常に強い勢力の台風18号(ラガサ)がマカオに接近も直撃は免れる…負傷者8人、一部エリアで浸水被害

 9月24日未明から午後にかけて、台風18号(国際名:ラガサ)が現地における最高等級の「超強台風」レベル(中心付近の最高風速が時速185キロメートル以上を持続)という非常に強い勢力を維持したままマカオに接近した。

 マカオ政府地球物理気象局(SMG、気象台)が24日夜発表した内容によれば、再接近時の距離は約90キロメートルで、直撃は免れたとのこと。最高レベルの台風警報シグナル(※)となる「10」の発令時間は10.5時間にも及び、記録が残る1968年以降の最長で、同一年内にシグナル10が二度発出された(一度目は7月20日の台風6号(ウィパー)の際)のも初めてのケースに。なお、今年(2025年)マカオに影響を与えた台風の数は11個目となり、過去2番目の多さに。

 シグナル10の発令下、マカオ各エリアで最大10分間平均風速が12級(平均風速が時速118キロメートル超)、最大瞬間風速は14級(同150キロメートル超)を記録。また、低窪地では満潮と重なった時間帯にかけて浸水が出現し、マカオ半島西部の内港エリアでは1.51メートルに達した。

マカオ税関の潜水隊によるゴムボートや水上バイクを使い浸水エリアでのパトロールと救助作業の様子=2025年9月24日(マカオ警察総局民防行動中心)

 台風18号の影響下における被害状況については、マカオ警察総局の24日深夜までのまとめで、事故報告が259件(物体の落下リスク関連147件、倒木・その他倒壊物71件、工事現場の倒壊6件、火災(大半が配電盤からの発煙)、閉じ込め11件)、負傷者は重傷が1人(要入院)、軽傷が7人で、重大事故はなかったという。

 その他、陸・海・空の交通機関に運休や遅延などの影響が生じ、カジノ施設については33時間(23日午後5時から25日午前2時まで)にわたって例外的な全面休業措置が講じられた。

 マカオでは、2017年の台風13号(ハト)や2018年の台風22号(マンクット)によって甚大な被害が生じたことをきっかけに、近年は災害に強い街づくりが進められている。

(※):香港・マカオの台風警報シグナルは低→高の順で1、3、8、9、10

地元建設業界と建設会社の協力により実施された倒木処理作業の様子=2025年9月24日(マカオ警察総局民防行動中心)

関連記事

最近の記事

  1.  世界最大規模のカジノ売上を誇る都市として知られるマカオ。カジノ税という潤沢な財源を抱え、莫大な財…
  2.  マカオ政府文化局(ICM)では、先人の知識と知恵を広く伝え、文化交流の促進につなげるため、管轄下…
  3.  「第10回広東・香港・マカオ地震科学技術シンポジウム」が11月13日から14日にかけて香港で開催…
  4.  澳門海關(マカオ税関)は11月16日、違法な運搬活動(いわゆる運び屋行為)に対してIT技術を採用…
  5.  マカオ政府民航局(AACM)は11月16日、同日からマカオ国際空港の旅客ターミナル出発階の中央保…

ピックアップ記事

  1.  マカオ政府旅遊局(MGTO)は4月29日、国際旅客誘致策の一環として昨年(2024年)実施した香…
  2.  マカオのマカオ半島側とタイパ島を結ぶ4番目の跨海大橋となる「マカオ大橋(澳門大橋/Ponte M…
  3.  今年(2025年)に入って以降、マカオ政府が新交通システム「マカオLRT」の新路線計画を相次いで…
  4.  仏ミシュラン社は3月13日、香港・マカオでも高い知名度と信頼性を誇る人気グルメガイド「ミシュラン…
  5.  マカオ政府は6月9日午後5時からマカオ政府本部ビルで特別会見を行い、SJMリゾーツ社、メルコリゾ…

注目記事

  1.  日本も出場した女子バレーボールネーションズリーグ(VNL)予選第2週のマカオ大会が5月28日から…
  2.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  3.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  4.  マカオ治安警察局は3月5日、東京などからマカオへ向かう航空機内で窃盗を繰り返したとして中国人(中…
  5.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…

イベントカレンダー

11月 2025
      1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
« 10月   12月 »
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2025年11月号
(vol.149)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun