マカオで3日連続輸入性デング熱感染例確認…患者に広東省中山市居住歴

 マカオ政府衛生局(SSM)は10月22日夜、同日マカオ域内で新たに輸入性デング熱感染を1例確認したと発表。マカオでデング熱感染確認例が出現するのは3日連続。

 患者は長期にわたって広東省中山市に居住するマカオ人の女性(79)で、10月20日に下痢と全身の皮膚の発疹の症状が現れ、中国本土の医療機関を受診。その後も症状が続いたことから、21日にマカオへ戻り、私立総合病院の鏡湖醫院を受診するとともに、同院で血液検査を受検したところ、その検査結果が22日に判明し、デング熱Ⅰ型に感染していることが確認されたという。

 同局では、患者の渡航・居住歴、発症時間、検査結果を総合し、輸入性の感染例と判断。目下、患者の容体は安定し、同住者にも体調不良は出現しておらず、同局が速やかに患者のマカオにおける主な活動場所周辺に職員を派遣し、蚊の発生源の調査・除去と予防措置として蚊の駆除及び作業を実施するとした。

 デング熱は蚊(ヒトスジシマカ)を媒介とする感染症。一昨年のマカオにおけるデング熱感染確認は7例で、すべて輸入性だったが、昨年は輸入性感染が2月(1件)、5月(1件)、6月(2件)、7月(1件)、10月(18例)、11月(12例)、12月(4例)の計39例、当地感染が10月(1例)、11月(8例)の計9例に上った。なお、昨年分に関して、10月以降に感染確認された輸入性事案の大半にマカオと相互往来が緊密な広東省中山市、仏山市、江門市滞在歴があった。今年は今回のケースを含めて当地感染が1例、輸入性が22例の23例に。今年の輸入性事案についても、広東省、中でも中山市滞在歴のある患者が目立つ状況。

 マカオの人口は約68万人、人口密度は世界的にみてもかなり高い約2万人/平方キロ。すでに雨季を迎え、蚊の発生しやすい状況となっており、またボーダーを跨ぐ移動が増える夏休みシーズンを迎えていることから、同局が市民に対して域内及び外遊時にデング熱及び最近周辺地区で流行が見受けられるチクングニア熱への予防対策を講じるよう繰り返し呼びかけるとともに、市政署と合同で蚊の発生源の調査・駆除を強化して臨んでいる。

 年初来(10月22日夜まで)のマカオにおけるチクングニア熱感染確認例は、当地感染が8例、輸入性が29例に上っている。

マカオ外港フェリーターミナルに掲出されている外遊先でのデング熱への注意を呼びかけるサイネージ(資料)=2024年8月本紙撮影

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