香港とマカオ結ぶ夢の架け橋、16年開通「困難」=海底トンネル工事難航で

中国が国家プロジェクトとして推進している香港とマカオ、広東省珠海市の三地をつなぐ「港珠澳大橋(ホンコン・ジュハイ・マカオ・ブリッジ)」の建設工事について、各所で当初予定から遅れが生じているようだ。

マカオの政府系放送局TDMが2月10日昼のラジオニュースで報じた内容によると、広東省発展改革委員会の李春洪主任が同日午前、海底トンネル部分のトンネルユニットの据え付け及び結合工事が難航していることを理由に「(従来予定していた)2016年の開通の可否については、現時点では非常に困難といわざるをえない」との見方を示したという。現在、工期についてあらためて評価が行われているとのこと。

港珠澳大橋建設工事を巡っては、今年1月、大橋本体と香港市街を結ぶ連接道路と通関施設についても大幅な遅延が明らかとなったばかり。

港珠澳大橋は香港と珠海、マカオの間のY字型のルートおよそ50キロメートルを海上橋と海底トンネルで結ぶ大型インフラ整備プロジェクト。このうち、海底トンネルは6.7キロ分。もともと1980年代に夢の架け橋として構想され、21世紀に入って実現化に向けた準備が加速し、2009年に着工した。自動車専用道路で、鉄道用の設備はない。現在、香港とマカオの間を移動する際、高速フェリーで約1時間かかるが、大橋の開通後は車で約30分程度となり、大幅な所要時間短縮効果が見込まれている。

港珠澳大橋(資料)=2015年1月、香港国際空港付近の海上より本紙撮影

港珠澳大橋(資料)=2015年1月、香港国際空港付近の海上より本紙撮影

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