マカオのカジノ売上 2016年もマイナスに…3年連続=マス安定もVIP不振続く、格付け大手フィッチ予測

マカオのカジノ売上が昨年(2014年)6月から今年11月まで18ヶ月連続で前年割れとなり、今年1〜11月の累計では35.3%減の2125.00億パタカ(日本円換算:約3兆2394億円)となるなど、低迷が長期化の様相を呈している。

マカオの月刊英字経済誌マカオビジネスが12月9日付電子版で報じた内容によると、大手格付け会社フィッチ・レーティング社がこのほど発表した最新レポートの中で、今年(2015年)のマカオの年間カジノ売上見通しを34〜35%減、来年(2016年)についても概ね5%減になるとの予測を明らかにしたという。

フィッチ・レーティングでは、来年のマカオのカジノマーケットについて、マスゲーミング(平場)部門は安定して推移するものの、VIPゲーミング部門の減速が続くとする見方を示し、コタイ地区における新規大型IR(統合型リゾート)開幕による供給増をささやかなプラス要素として挙げている。

近年、マカオのカジノ売上は右肩上がりの上昇を続けてきたが、昨年は今世紀初のマイナス(2.6%減)となる3515.21億パタカ(約5兆3586億円)にとどまった。今年11月までの実績を考慮すると、2年連続マイナスとなる公算が大きい。

マカオのカジノ売上の大半を稼ぎ出すのがVIPゲーミング部門だが、中国本土の反汚職キャンペーンやマカオ当局によるカジノ周辺の規制及び入境制限の強化などを理由に、VIPカジノの主要顧客基盤である中国本土富裕層のマカオへの渡航意欲が減退しているとされ、売上低迷の主要因とされている。昨今、VIPゲーミング部門は低迷が続き、マスゲーミング部門は比較的堅調に推移していることから、ジノ売上に占めるシェアは両者のシェアは拮抗に近づきつつある。

マカオのカジノ(写真はイメージ)—本紙撮影

マカオのカジノ(写真はイメージ)—本紙撮影

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