マカオの衛星カジノ施設「グランドビューカジノ」が早じまい…年末待たず7月30日でクローズに

 前月(6月)初旬、マカオのいわゆる「衛星カジノ」11軒(※)とスロット専門カジノ「モカクラブ」6店のうち3店が(2025)年末までにクローズすることが発表された。

 衛星カジノとは、マカオ政府とカジノ経営コンセッションを結ぶ事業者の所有ではない物件内(主にマカオ半島新口岸地区の中小規模のホテル内)にあり、フランチャイズのような契約形態で運営されるカジノ施設を指す。

 2023年1月1日に施行された改正娯楽場幸運博彩経営法律制度(通称「新カジノ法」)の規定により、カジノ施設はコンセッション事業者の所有する物件内に設置することが必須となったが、従来の形態で衛星カジノを運営できる過渡期が3年間(2025年12月31日まで)設けられ、以降に継続する場合は管理会社方式を採用し、衛星カジノオーナーは管理会社としてコンセッション事業者から施設の清掃や警備等に関する管理費のみを受け取れるが、カジノ運営に一切関与できず、いかなる方式でのレベニューシェアやコミッションの受け取りもできないとされた。2022年にかけて法改正手続きが進む中、もともと約20軒あった衛星カジノのうち一部が相次ぎクローズし、現在まで存続しているのは11軒を残すのみに。

 衛星カジノを運営するコンセッション事業者のひとつ、SJMリゾーツ社は7月28日午前にプレスリリースを発出し、タイパ島のグランドビューホテルに併設する「グランドビューカジノ(君怡娛樂場/Casino Grandview)」について、同月30日23時59分をもってクローズすることを明らかにした。

 早じまいのかたちとなるが、同社によれば、全体的な事業計画及び商業的な考慮に基づく判断とし、同施設に割り当てられていたゲーミング(カジノ)テーブルは同社傘下の別施設に再配置して引き続き稼働を継続するとのこと。また、同施設クローズ後のゲーミングチップ、デポジット、キャッシュリワードの取り扱いについては、マカオ半島新口岸地区にあるカーサレアルカジノ(皇家金堡娛樂場/Casino Casa Real)のキャッシャー窓口でフォローアップするという。

 なお、同社が直接雇用して同施設に派遣するマカオローカルの従業員の雇用は継続し、傘下施設のゲーミング関連業務に配置転換し、施設が独自に雇用するローカル従業員についても、同一条件下でグループ企業へ優先採用する用意があるとした。

※11軒のうち2軒は直営方式に転換することでコンセッション事業者(SJMリゾーツ社)が継続意向を示している)

グランドビューカジノの入るグランドビューホテル外観(資料)=2014年、マカオ・タイパ島にて本紙撮影

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