中国本土の新型コロナ新規市中感染者数が3万人超に…広州と重慶が主、北京でも3日連続4桁=11/23

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降は全国的には安定した状況となり、散発的な市中感染確認例が度々出現する程度だったが、今年(2022年)に入って以降はオミクロン変異株の流入を受け、上海や北京といった主要都市を含む一部地域で比較的大規模な再流行が発生した。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が11月24日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月23日の中国本土における新規市中感染確認者数は3927人(前日から1286人増)だったとのこと。内訳は広東省1791人、北京市509人、重慶市409人、山西省247人、四川省194人、河南省159人、黒竜江省98人、内モンゴル自治区87人、河北省64人、山東省52人、遼寧省39人、陝西省37人、浙江省35人、貴州省34人、江蘇省28人、福建省28人、湖南省23人、雲南省23人、新疆ウイグル自治区18人、上海市9人、湖北省9人、青海省8人、吉林省7人、甘粛省7人、海南省5人、広西チワン族自治区3人、安徽省2人、天津市1人、江西省1人。このうち広東省の1242人、重慶市の298人、北京市の37人、浙江省の18人、山西省の11人、四川省の11人、湖南省の10人、黒竜江省の9人、河南省の8人、陝西省の8人、青海省の8人、甘粛省の7人、河北省の4人、江蘇省の4人、福建省の4人、雲南省の4人、広西チワン族自治区の3人、内モンゴル自治区の2人、山東省の1人、貴州省の1人の計1690人が無症状から感染確認へ転じた事案。

 市中の無症状感染例は2万7517人(前日から1275人増)。内訳は広東省7505人、重慶市7437人、北京市1139人、四川省1091人、新疆ウイグル自治区943人、河北省882人、甘粛省860人、山西省778人、陝西省758人、山東省747人、青海省696人、内モンゴル自治区561人、河南省536人、湖北省487人、天津市456人、広西チワン族自治区363人、黒竜江省323人、吉林省312人、江蘇省305人、遼寧省263人、雲南省260人、寧夏回族自治区172人、湖南省131人、貴州省121人、浙江省102人、安徽省87人、江西省72人、上海市58人、福建省33人、海南省24人、チベット自治区11人、新疆生産建設兵団4人。

 無症状を含む新規感染者数は3万1444人で、4日連続増。また、13日連続5桁(1万人超え)となり、9日連続で2万人を上回った。上海市での大規模なロックダウンが実施されるなど各地で目立った再流行が出現していた今年4月中旬頃と同水準。

 11月23日24時時点の中国本土で治療中を受けている感染確認者数は2万6813人(うち輸入性が723人)で、重症者は116人(輸入性ゼロ)。無症状の患者26万3010人(輸入性1302人)が医学観察下にあるとのこと。

 11月23日に新規感染例の報告があった省市区の数は全31のうち31で、前日と同数。このうち広東省(9296人)、重慶市(7882人)、北京市(1648人)、四川省(1285人)、山西省(1025人)の5省市が4桁に上ったほか、新疆ウイグル自治区(961人)、河北省(946人)、甘粛省(867人)、山東省(799人)、陝西省(795人)、青海省(704人)、河南省(695人)、内モンゴル自治区(648人)、湖北省(496人)、天津市(457人)、黒竜江省(421人)、広西チワン族自治区(366人)、江蘇省(333人)、吉林省(319人)、遼寧省(302人)、雲南省(283人)、寧夏回族自治区(172人)、貴州省(155人)、湖南省(154人)、浙江省(137人)の20省市区が3桁に。依然として多くの省市区で患者が出現する状況が続く。

 香港・マカオに隣接する広東省では、しばらく落ち着いた状況が続いた後、8月初旬以降は連日複数の感染例が出現。10月下旬から急増し、流行開始以来最悪の状況を迎えている。23日の新規感染者数は前日から485人増の9296人で、6日連続1万人以下となったものの、依然として高止まりが続く状況に変わりはない。大半がオミクロンBA.5.2の流行は発生しているとされる広州市からの報告例となっており、中でも海珠区に集中。同区の広い範囲で準ロックダウンに相当する厳格な防疫措置が講じられており、6回目の延長を繰り返しながら27日まで実施予定。広州市内では無症状感染者及び軽症患者を収容する19の臨時医療施設が運用を開始し、病床数は7万床に上るとのこと。省内その他は仏山市で3桁となったほか、深圳市、中山市、珠海市でも2桁に。深圳市では24日から公共交通機関利用時に48時間以内のPCR検査陰性証明または24時間以内の検体採取証明の提示を求める措置が講じられるという。

 このほか、重慶市では感染例の増が続き、8千人近くに達した。オミクロンBF.7が流行しているとされる北京市でも近日は感染例が右肩上がりで、3日連続4桁台に。朝陽区など複数の区で隔離対象ではない一般市中から陽性者が発見されている状況。同市では市中伝播だけでなく、市外から同市入りした人の感染報告も増加しており、22日から市外から同市入りした人に対して3日間で3回のPCR検査受検を求める措置が講じられているほか、24日からは公共交通機関時に48時間以内のPCR検査陰性証明の提示を求める措置が講じられる模様。

 中国本土の状況は総じて落ち着いている一方で、香港では昨年末から流行第5波が続いており、直近の単日新規感染者数は5千人前後で推移。9月26日からは入境時の義務的隔離検疫も不要となり、事実上ウィズコロナに転換したといえる。マカオについては長期にわたって市中感染確認数ゼロの落ち着いた状態を維持。こちらは中国本土に倣ってゼロコロナ政策を堅持する方針を示している。ただし、このところマカオ市中及び珠海市でマカオ滞在歴のある陽性者が相次ぎ確認され、珠海市からの入境にあたって制限を強化する動きもあるが、これらをきっかけとした市中伝播は確認されていない。

中国・北京(資料写真)—本紙撮影

中国・北京(資料写真)—本紙撮影

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